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大田区の実家相続・空き家対策|相続手続き・相談先・費用の基本

約 16 分で読めます 監修:藤原 匠
大田区の実家相続・空き家対策|相続手続き・相談先・費用の基本

大田区にある実家を相続したものの、「まず何から始めればよいのか」「空き家になった実家をどうすればよいのか」と悩んでいる方もいるでしょう。

本記事では、大田区で実家の相続に直面した方に向けて、相続手続きの期限や相談先の選び方、専門家費用の考え方を整理します。あわせて、相続した実家を売る・貸す・残すといった選択肢や、大田区の空き家相談窓口についてもご紹介します。

相続には期限が決められている手続きもあるため、まずは必要な対応と優先順位を整理することが大切です。



大田区で実家を相続したら、まず何をすべきか

大田区の実家を相続することになったら、すべての手続きを一度に理解する必要はありません。まずは相続の状況と期限を確認し、そのうえで実家を今後どうするか考えていきます。

まず確認すること

主な内容

① 相続の状況を確認

相続人・遺言書・預貯金・不動産・借金などを確認

② 期限のある手続きを確認

相続放棄・準確定申告・相続税申告などの要否を確認

③ 実家をどうするか考える

住む・売る・貸す・当面管理するなどを検討

④ 必要に応じて相談する

弁護士・税理士・司法書士・大田区の相談窓口などを利用

相続発生後に最初に確認すべき3つのこと

実家を相続することになったら、最初に確認したいのは「誰が相続するのか」「遺言書があるのか」「どのような財産があるのか」の3点です。

・相続人を確認するための戸籍

・遺言書の有無

・預貯金・不動産・借金などの財産

戸籍などから相続人を確認し、あわせて遺言書が残されていないかを調べます。財産については、預貯金や不動産だけでなく、借金などのマイナス財産も含めて整理していきます。

この段階ですべての書類を完璧にそろえる必要はありません。まず全体像を把握し、相続放棄や相続税申告など期限のある手続きが必要かどうかを判断できる状態にすることが大切です。

相談先は弁護士・税理士・司法書士のどれを選ぶべきか

相続の相談先は、抱えている問題によって異なります。

相談したいこと

主な相談先

遺産分割で揉めている・交渉が必要

弁護士

相続税の申告や税額について相談したい

税理士

実家などの不動産を相続登記したい

司法書士

複数の問題が重なっている場合は、他士業との連携体制がある事務所や、大田区の住宅・空家相談窓口などを入口にする方法もあります[出典4]。

相続手続きの流れと期限

相続では、手続きごとに期限が異なります。特に期限が短いものから確認しておくことが大切です。

主な手続き

期限の目安

相続放棄

相続の開始を知った時から原則3か月以内

準確定申告

相続の開始を知った日の翌日から4か月以内

相続税の申告・納付

被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内

相続登記

不動産の取得を知った日から3年以内

相続財産・相続人の確定と遺言書の調査

最初に確認した相続人・遺言書・財産について、ここでは手続きに進める状態まで整理します。

特に重要なのは、預貯金や不動産だけでなく、借入金などのマイナス財産まで把握することです。負債が多い場合は相続放棄を検討する可能性があり、原則3か月という期限があるためです[出典2]。

また、遺言書が見つかった場合は、その種類によって必要な手続きが異なります。自分たちだけで判断しにくい財産や遺言書が見つかった場合は、すべてを調べ終えてからではなく、この段階で専門家へ相談する方法もあります。

遺産分割協議と相続放棄の判断

財産と相続人が確認できたら、相続人全員で遺産の分け方を話し合います。実家が主な相続財産の場合は、現金のように単純に分けられないため、次のような方法を検討することになります。

・相続人の一人が実家を取得する

・実家を売却して代金を分ける

・いったん共有する

一方、調査の結果、借金などのマイナス財産が多いことが分かった場合は、相続放棄も選択肢です。相続放棄には原則3か月の期限があるため[出典2]、判断に迷う場合は早めに専門家へ相談するとよいでしょう。

相続税の申告・納付と準確定申告の期限

相続では、税金に関する期限にも注意が必要です。

被相続人の所得状況によって準確定申告が必要な場合は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内が期限です[出典3]。また、相続税の申告が必要な場合は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内に申告・納税します。

すべての相続で相続税が発生するわけではありませんが、実家以外にも預貯金や有価証券などの財産がある場合は、早い段階で申告の要否を確認しておくと安心です。

不動産の名義変更(相続登記)の進め方

実家を引き継ぐ人が決まったら、不動産の名義を相続人へ変更する相続登記を進めます。

2024年4月1日から相続登記は義務化されており、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が原則です[出典5]。正当な理由なく申請を怠った場合は、10万円以下の過料の対象になる可能性があります。

「実家を売る予定だから登記は後でよい」と考えがちですが、相続した不動産を売却する場合にも相続登記が必要になります。住む・売る・貸すといった実家の使い方がまだ決まっていなくても、相続登記は別に進めておくと、その後の選択肢を検討しやすくなります。

相続した大田区の実家が空き家になる場合はどうする?

相続手続きと並行して考えておきたいのが、実家を今後どうするかです。自分や家族が住む予定がない場合は、売却・賃貸・当面の所有などから方向性を検討します。

選択肢

考えておきたいこと

当面所有する

建物や庭などの定期的な管理が必要

売却する

相続登記を済ませたうえで売却を検討

貸す

修繕の必要性や賃貸需要などを確認

解体する

建物の状態や解体後の土地活用まで含めて検討

「まだ気持ちの整理がつかない」という理由で、すぐに売却を決められないこともあるでしょう。ただし、誰も住まない期間が長くなる場合は、実家を残すか手放すかとは別に、建物の管理について考えておく必要があります。

大田区では「住宅・空家相談窓口」を設け、建築・法律・不動産・福祉の専門家と連携して空き家に関する相談に対応しています。売却・賃貸・管理のどれを選べばよいか決まっていない段階でも、相談先のひとつとして利用できます[出典4][出典6]。

売却するなら利用できる税制がないか確認

相続した実家を売却する場合は、売却価格だけでなく税金についても確認しておきたいところです。

一定の要件を満たす相続した空き家を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。2024年以後の譲渡で相続人が3人以上の場合は、控除限度額が2,000万円となります[出典7]。

ただし、対象となる家屋の建築時期や相続前の利用状況、売却時期などに条件があり、すべての空き家が対象になるわけではありません。実家の売却を検討する際は、不動産会社への査定だけでなく、特例を利用できる可能性があるか税理士などへ確認しておくとよいでしょう。

大田区で相続・空き家について相談するには

「相続登記なのか、売却なのか、空き家管理なのか、何から相談すればよいか分からない」という場合は、最初から専門家を一人に絞る必要はありません。

相談内容が複数ある場合は連携体制も確認

相続した実家について相談するときは、登記だけでなく、相続税や遺産分割、売却など複数の問題が重なることがあります。

そのため、相談内容が一つに絞れない場合は、弁護士・税理士・司法書士など必要な専門家へつないでもらえるかも確認しておくとよいでしょう。

また、大田区の住宅・空家相談窓口では、建築・法律・不動産・福祉の各分野と連携した相談対応を行っています[出典4]。「誰に相談すればよいか分からない」という段階であれば、こうした窓口から相談を始める方法もあります。

無料相談を利用する際の準備物と当日の流れ

無料相談では、手元にある範囲で次の資料を用意しておくと話を進めやすくなります。

・被相続人や相続人の関係が分かる戸籍謄本

・固定資産税の納税通知書や登記事項証明書

・預貯金通帳のコピー

・相続人の関係や現在の状況をまとめたメモ

・遺言書がある場合はその写し

すべてそろっていなくても相談はできます。不足している書類については、相談時に確認するとよいでしょう。

無料相談は相談時間が限られている場合もあるため、「相続登記について聞きたい」「実家を売却する前に必要な手続きを確認したい」など、質問したいことを事前に整理しておくと時間を有効に使えます。

相談は「全部調べ終わってから」でなくてもよい

相続にかかる期間は、相続人の人数や財産の内容、実家の分け方について意見がまとまっているかによって変わります。

特に実家を誰が取得するか決まらない場合や、売却に反対する相続人がいる場合は、話し合いが長引くこともあります。一方、相続放棄など期限の短い手続きもあるため、「財産を全部調べてから相談しよう」と待つ必要はありません。

判断に迷っている段階でも、現在分かっている範囲を整理して相談し、優先して進める手続きを確認する方法があります。

相続相談・手続きにかかる費用の目安

相続で必要になる費用は、大きく「専門家への報酬」と「手続きに必要な実費」に分けて考えると分かりやすくなります。

費用

主な内容

専門家への報酬

弁護士・税理士・司法書士などへの依頼費用

登記にかかる費用

登録免許税など

書類取得費

戸籍・住民票・各種証明書など

その他

必要に応じて測量・鑑定など

専門家に依頼した場合の報酬

専門家への報酬は、財産額や相続人の人数、依頼する手続きの範囲によって変わります。相続人調査から名義変更までまとめて依頼する方法もあれば、相続登記や税務判断など必要な部分だけを依頼する方法もあります。

そのため、「相場はいくらか」だけで比較するのではなく、見積もりを取る際にどこまで対応してもらえる料金なのか、追加費用が発生する条件はあるのかを確認することが大切です。

相続税申告や登記でかかる実費

報酬とは別に、手続き自体の実費もかかります。相続登記では、法務局に納める登録免許税として、原則、不動産の固定資産税評価額の1000分の4を負担します[出典1]。

このほか、戸籍謄本や住民票などの書類取得費がかかり、必要に応じて測量や不動産鑑定などの費用が生じる場合もあります。見積もりでは、専門家への報酬と実費を分けて確認しておくと総額を把握しやすくなります。

費用を抑えるためのポイント

費用を抑えたい場合は、自分でできる作業と専門家に任せる作業を切り分ける方法があります。戸籍や不動産資料の収集を自分で進め、登記申請や税務判断など専門性が必要な部分だけを依頼する方法です。

また、大田区の住宅・空家相談窓口などを初期相談の入口として利用し、自分のケースで必要な手続きを整理してから依頼範囲を決める方法もあります[出典4]。

実家の相続でトラブルを避けるために

実家は現金のように分けにくいため、誰が取得するのか、売却するのかで相続人の意見が分かれることがあります。

実家の相続で意見が分かれたときに考えたいこと

相続財産の大半が実家の場合、現金のように人数分へ分けることができません。そのため、次のような意見の違いが出ることがあります。

・実家を残したい人

・売却して現金で分けたい人

・自分が取得したい人

一人が実家を取得して他の相続人へ代償金を支払う方法や、実家を売却して代金を分ける方法などもあります。

共有名義にする方法もありますが、その後の売却や活用について再び相続人同士の調整が必要になる可能性があります。実家を誰が取得するか決めにくい場合は、「とりあえず共有する」と決める前に、今後売却・賃貸・自己利用のどれを想定しているのかまで話し合っておくことが大切です。

今後の相続に備えるなら遺言書も選択肢

今回の相続をきっかけに、自分自身の相続について考える方もいるでしょう。

特に不動産は分割しにくいため、「誰に実家を引き継いでもらいたいか」を生前に整理しておくことには意味があります。遺言書や家族信託など方法によってできることや注意点が異なるため、必要に応じて弁護士・司法書士などへ相談するとよいでしょう。

相続相談先を選ぶ際の確認ポイント

相続の相談先を選ぶときは、事務所名や検索結果の順位だけではなく、自分が抱えている問題に対応できるかを確認することが大切です。

・相続に関する相談・対応実績があるか

・自分が必要とする手続きに対応しているか

・必要に応じて他の専門家と連携できるか

・対応地域や相談方法が明記されているか

・相談料・着手金・報酬などの費用体系が分かりやすいか

大田区にお住まいの方であれば、区が案内する住宅・空家相談窓口や無料法律相談など、公的な窓口から相談を始める方法もあります。まずは「争いがあるのか」「税金の相談が必要なのか」「相続登記を進めたいのか」「空き家をどうするか」を整理し、それに合った相談先を選ぶと絞り込みやすくなります。

まとめ

大田区の実家を相続した場合、まずは相続人・遺言書・財産の状況を確認し、期限の短い手続きがないかを整理することが大切です。

そのうえで、実家に住む予定がない場合は、相続手続きだけで終わらせず、売却・賃貸・当面の管理など今後の扱いも検討します。遺産分割のトラブルなら弁護士、相続税なら税理士、相続登記なら司法書士というように、自分の状況に合った相談先を選びましょう。

実家を売るか残すか決まっていない段階でも、必要な相続手続きを先に整理しておけば、その後の選択肢を検討しやすくなります。大田区の住宅・空家相談窓口なども活用しながら、現在の状況に合った進め方を確認してみてください。

※掲載内容は執筆時点の情報です。最新情報は各自治体・関係機関の公式ホームページをご確認ください。

出典

[出典1] 東京法務局「登録免許税」 — https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/content/001396077.pdf

[出典2] 弁護士法人東京FAIRWAY法律事務所「相続問題でお困りの方へ」 — https://fairwaylaw.com/souzokumondai_okomari/

[出典3] 国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm

[出典4] 大田区「空家に関するご相談」 — https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/sumai/akiya_taisaku/akiyasougousoudanmadoguchi.html

[出典5] 政府広報オンライン「不動産の相続登記義務化!過去の相続分は?」 — https://www.gov-online.go.jp/article/202512/entry-10431.html

[出典6] 大田区「事例集(よくあるお問い合わせ)」 — https://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/sumai/akiya_taisaku/jireisyu.html

[出典7] 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」 — https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm


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よくある質問

遺産分割で相続人同士がもめている場合は弁護士、相続税の申告が必要な場合は税理士、不動産の名義変更(相続登記)が中心の場合は司法書士に相談するのが基本です。複数の問題が絡んでいる場合は、他士業との連携体制がある相談先や、大田区の住宅・空家相談窓口などを入口にする方法もあります。


弁護士は遺産分割のもつれなど紛争対応、税理士は相続税の申告、司法書士は相続登記を中心に扱います。それぞれ対応範囲が異なるため、まず自分が必要としているのが「争いへの対応」「税金」「登記」のどれかを整理して選ぶと分かりやすくなります。

相続税の申告と納付が必要な場合は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10か月以内が期限です。すべての相続で申告が必要になるわけではないため、財産の全体像を確認したうえで、申告の要否を税理士などへ確認するとよいでしょう。

戸籍謄本など相続人が分かる書類、固定資産税の納税通知書や登記事項証明書など不動産関係の資料、預貯金通帳の写しがあると相談を進めやすくなります。遺言書がある場合はその写しも用意します。すべてそろっていなくても、現在分かっている状況と質問したいことを整理しておくとよいでしょう。

専門家への報酬は、財産額や相続人の人数、依頼範囲によって異なります。また、登録免許税や書類取得費などの実費も別途かかります。見積もりを取る際は、金額だけでなく「どこまで対応してもらえるか」「追加費用が発生する条件」を確認して比較することが大切です。


SUPERVISOR

藤原 匠

藤原 匠

ルームアドバイザー / 宅地建物取引士

ピタットハウス鵜の木店のルームアドバイザー。賃貸・売買にまたがる幅広い知識を活かし、お客様一人ひとりに最適な住まい提案を行っています。